2008年2月2日土曜日
茂木健一郎氏の講演より

兄ィニィの丘【豊見城市】 2007年10月


先日(1月29日(火))、かりゆしアーバンリゾート・ナハで行われた脳科学者、茂木健一郎さんの講演「脳と創造力〜イノベーションの流儀」を聞いた。

NHK「プロフェッショナル」の中の脳科学の観点からのコメントはいつも興味深く、また温かい人柄をにじませるコメントも多いことからとても楽しみにしていたけれど、その内容は期待にたがわぬものだった。

短い時間の中で、本講演テーマのイノベーション(技術革新)を軸に話しが進められたが、その中で印象に残った話しをいくつか。

  • “今や情報格差は存在しない。カギとなるのは多くの情報から目利きができるかどうか。最終的には人をどう育てるか。人を育てるのは人。本物の人とつながること”

この話しは茂木さんが「プロフェッショナル」の司会を楽しんでやっていることの理由そのもので、番組の考え方の核心でもあるような気がした。

また脳科学の観点からの話し。

  • “できないと思うことや苦手なことに挑戦し、それができたとき、脳から快感物質のドーパミンが出る。ドーパミンが出ることで、これまでマイナス=苦手だったことが、一気に0を飛び越え大きなプラス(100にも1000にも)なる=得意なことになる”

現在、専門家と呼ばれる人の中には、子供の頃にそれを苦手としていた人が少なくない。なぜ、苦手だったことの専門家になったかは、チャレンジして小さな成功をしたときに、それが自信につながった。そしてそれを繰り返して積み重ねた結果ということだった。

納得。 実践あるのみ、というところか。

  • “できると思ってやったことでは、ドーパミンは出ない。脳は快楽主義だが、その快楽には苦味(苦しみ)があって、初めて快楽につながる。”

苦しみを乗り越えて、壁を打ち破って成しえた喜びこそが脳にとっての快感であるから、ドーパミンが出る、そのことで脳が活性化される。

決してただラクして楽しいことでは、
脳は快感とは感じない。

うーん、なるほど。

  • “みなさんの身の回り、職場、日々の生活の中で、不確実なことを楽しめるかどうか”

ということを、脳科学の分野で“偶有性(ぐうゆうせい)”という言葉で表現していて、注目している考え方?(研究テーマ?)らしい。
そういうものだとは知ってはいたけれど、脳科学の研究で分かったこと、というとまた別の説得力がある。

  • “「プロフェッショナル」でスガシカオさんが言っていた、《根拠のない自信》。これまでの経験による既成概念にとらわれない、子供のような自信が必要、直感を信じること”

苦手なことに対して一歩踏み出す気持ち。
とにかく動いて小さな成功体験をつみあげていくには、これが必要なんだろうな。


まだ沢山言っていたけれど、主なものはこんなとこだろう。

今日はこのこと一つだけでも覚えて帰ってもらえれば、と言っていた偶有性の話し。

なにか目の前のことが少し開けてきそうな気がしてきた。



【関連】

革新生む人づくりを 茂木氏(脳科学者)が講演 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-30931-storytopic-4.html





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