2009年10月24日土曜日
「肝高の阿麻和利」秋公演に行ってきた!

台風20号接近の風雨の中、秋公演に向かう


本日、現代版組踊「肝高の阿麻和利」の秋公演を観てきた。

6月の春公演から久しぶりのようであり、あっという間のような気もする今回の秋公演。

その間の8月には、東京、仙台公演もあり、阿麻和利の出演者や関係者にとっては本当にあっという間だったのではないだろうか。

さて、今回観に行ったのは、4回ある秋公演(昼夜2公演×2日)の一番最初の昼公演。

あろうことか出かけるのが遅くなり(いつものこと?(-_-;)、開演ギリギリかけこみセーフ!… ★(*_*)

といいつつ、阿麻和利が始まる前の「翔べ!尚巴志」(来月公演予定)のPR演舞の途中入場となってしまった…。(我ながらあきれる)そのためほんの一部しか見れなかったけれど、本公演が十二分に期待できる大迫力の演舞だった。


目玉のチャレンジキャスト


そしていよいよ阿麻和利の昼公演がスタート。

見どころの一つは、※チャレンジキャストの長者の大主(うふしゅ)役を演じるMくんだった。(男子が演じる大主を見るのはたぶん初めて)

※チャレンジキャスト──初めて挑戦する配役のこと(勝手にこう呼んでいる …ん、平田さんか誰かも言ってたかな?)

彼は賢勇やハッタラー役などで知っていたが、大主役を見るのは初めてだった。
(もしかすると、すでに東京、仙台他の公演で演じていたかもしれない…)

個人的に、彼は次期・阿麻和利ではないかと思っていたほどの存在感がある実力派。

なので(当面は)主役ではない様々な大役を演じたい(演じさせたい)という路線(?)なのだろうと勝手に思っていたので、特に驚きはなかった。

けれどもステージに長者の大主が登場したとき、一目見てMくんだと分かり、おぉーこれは楽しみ!と思いながら、その後の彼の演技に注目していた。(かけこみセーフだったので、リーフレットのキャスト表に目を通す時間がなかった(-_-;)

スリムで長身(伸び盛り?)の彼は、これまでの背の低い女子が演じていた大主とはだいぶ印象が違った。腰を曲げて歩いても、そのスッキリとした体型が災いして長老の体型とはほど遠いように思えた。

しかし最後のシーンの雄叫びは、これまで見た女子の大主とは明らかに違う、長老としての野太いよく通る迫力ある声が出ていて素晴らしかった。新しい大主だった。
(これまでの大主役も、女子とは思えないほどの大迫力の雄叫びだったが、ノドの負担が大きいのか、声がかすれて聞きとれないことがままあった)


名シーンは、ハプニングから始まった


そして今日の昼公演で最も印象的なシーンを目撃した。
彼の大主役で、思わず魅せられたシーンだった。

それはハプニングから始まった。

最後のシーンで阿麻和利が倒れた後、大主が阿麻和利の前に立ってセリフを言うときに、彼の長い振り袖(?)が阿麻和利のかぶりもの(角飾りを含む全体)にひっかかり、するりと外れてしまった(頭には何もない状態になってしまった)。阿麻和利が倒れた状態だったのでその時はあまり目立たなかったが、問題はこの後だった。

大主の彼は動じることなくセリフを続けていた。

そしていよいよ阿麻和利が起ち上がってステージの奥に(この世からあの世へ)行こうとした時、阿麻和利役のMくんはその角飾りをサッと引き寄せ握って起ち上がった。ただそれを着け直すわけにもいかず、そのまま手にしてステージ奥に行くのはためらわれたのか、百十踏揚の背中あたりにポンと手放して、ステージ奥へと進んでいった。

百十踏揚もそれに触れずに演技を続けている。

このままどうなる??!と思ったとき…

大主役のMくんが百十踏揚に近づいて肩に手を寄せる演技のところで、それをすっと手に取った。でも、急いで隠すようにではなく、あの世に行こうとする阿麻和利に思いを馳せるように、ゆっくりとその角飾りをすっと胸に引き寄せ、握りしめたのだった。そしてそれを持ったまま彼は舞台をはけていった。

これには、思わずグッときて目頭が熱くなってしまった。

自分が外してしまった、という責任感がそうさせたのかもしれないが、実に機転のきいた、印象的なアドリブの演技だった。

あと、特筆すべきチャレンジキャストは百十踏揚役のIさん。リーフレットを見ると、この4回公演のうち後の3回はレギュラー?のTさんだから、Iさんの百十踏揚はこの昼公演だけらしい。(このリーフレット通りなら)

彼女の百十踏揚はとても自然だった。緊張はしていたかもしれないが、それを感じさせない演技に好感がもてた。彼女は次の公演でも百十踏揚を演じるかもしれない。


そして平田舞台の要、きむたかバンド


あと、バンドも音の出だしに不安な気持ちが感じられる場面がいくつかあったのと、キーボードの音が何度かはずれていたりして、最後にはOGのMさんが交代して演奏する一幕もあった。キーボードの彼女はくやしかったに違いない。でもきっとこのくやしさをバネにしてくれるはずだと信じている。

うまいヘタより大事なのは思いきりのよさ。それが平田舞台の目指すところ。

…とは言え、役者やアンサンブルと違い、バンドにはそれ相応の歌唱力、演奏技術が求められるのが彼らのつらいところかもしれない。でもそのためかバンドにはOG(OB?)のサポートがある。彼らならそのサポートを得てきっと乗り越えて行けるだろう。

春公演でバンドは高校生より中学生が多いと話していたので、これから先の伸びしろは充分だ。どんどん思いきった歌や演奏になっていくよりほかはない。


全公演見たくなるのが阿麻和利


浪漫の会ブログを見ると、直前の仕上がりは芳しくなかったらしく、平田さんの檄も飛んでいたそうだ

ただ、いつも思うことだけれど、うまくいってもいかなくても、最後の最後まで全力で出し切る姿をみたときに、たとえようのない感動がある。そして、それは観るたびに変わっていく!

リーフレットのキャスト表を見てると、それぞれにチャレンジキャストがあり、残り3公演のどれも見たくなってしまった。(といっても既にすべてチケット売り切れ)

この次に観られるのは来年2月の卒業公演。なんと3日間(計5回公演)もある(!)

1月の福岡公演は観られないので、卒業公演を今から楽しみに待ちたい。



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2 コメント:

和々 さんのコメント...

事細かなレポート(私とは違って(・∀・;))、ありがとうございます!
自分が見れなかった公演の様子が知れて嬉しいです。

名シーンのハプニング!
そんなことがあったなんて!

しかし、その対応力に読んでいて感動しました!
(その場にいたかった~)
さすがですね!
彼は夜公演ではハッタラーでした★
(声がちょっとかすれ気味だったけど大丈夫かな~?ドキドキ)


彼の阿麻和利も見てみたいですね!


さて、ラスト1公演になりました。
風がだいぶ強くなってきて、yahooニュースでは「本島、夕方には暴風域」
なんて記事が出てますが(汗)、中止の連絡がない限りでかけます!

2009年10月25日 15:50  

greenbee さんのコメント...

和々さん、コメントありがとうございます

声がかすれ気味!? そうですかちょっとムリしてたのかな…
やっぱり男子であろうとあの雄叫びの難易度は高いんですね(?)
そうですね、いつの日か見れるような気がします(彼の阿麻和利)
尚巴志でも期待大です。出ますよね彼?
(去年は確か本番直前に骨折?しながら出演していたような☆)

── 今回阿麻和利を見てきて、全般的にその魅力を文字で伝えるのは
もうハッキリ言って「自分にはできない?!」ので、
そのとき感動したポイントだけにしぼろうと決めました。

── 台風20号、進路予想の進行方向を見ると、
微妙に暴風域が沖縄本島から外れてるので、たぶん大丈夫でしょう!
夜の最終公演が、無事に行われますように (-人-)

2009年10月25日 16:24  

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