沖縄県立博物館・美術館で開催中の相田みつを全貌展を観てきた。
とにかく短い一言に集約されている詩や書は、決して思いつきで書いたものではない。
有名なシンプルな書にたどりつくまでには、たくさんの詩(文字)を書いて、その中の核心を選びに選び抜いて書にしたのだそうだ。
それを示す一つに、
相田みつをさんの周囲に
山のようにつまれた半紙が写っているアトリエの写真がある。
膨大な量の文字が書かれた紙だった。
あまりにも有名な個性的な書体も
すべてはしっかりとした基本があればこそで、
決して最初からあのような書体ではなかった。
若かりしころの基本に忠実な書や習作は
とても同一人物の作品とは思えないほど、
いわゆるよく目にする書として立派にみえる。
わかりやすさを目指した結果が
ひらがなを多くさせた。
どんな人が見ても、
今のその人の立場で響く詩にするために
難解ではない自然な言葉になった。
人生、生涯をかけてひたすら言葉を探求してきた人だった。
数々の作品を目の当たりにして素直に感動しつつ
なぜこれほどまで多くの人に支持されているのか、
少しだけわかったような気がした。
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